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【ニューヨーク不動産最前線】 ホリデーチップについて

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【ニューヨーク不動産最前線】ホリデーチップについて

2018年11月15日 ホリデーシーズンに
ビルスタッフにチップを渡す
いよいよホリデーシーズンが始まりました。来週はサンクスギビングですが、サンクスギビングが終わると、一斉にクリスマスを目指してカードが届き始めると同時に、ホリデーギフトのシーズンとなります。 マンハッタンのクリスマスといえば、住んでいるビルのスタッフにチップを渡すのが習慣になっています。 余談ですが、ニューヨークでは決してクリスマスと限定してはいけません。クリスマスカード、クリスマスギフト、クリスマスチップという代わりにホリデーカード、ホリデーギフト、ホリデーチップと言います。 日本人にはクリスマスという語彙はなじみがあり、ついついクリスマスと言ってしまいますが、カードにもHAPPY HOLIDAYというふうに書いてあるものが主流です。色んな人種が集まっているニューヨークでは、相手の宗教や信仰が分からないので、ハッピーホリデーとしておくのが無難なのです。 居住用のビルはコンドミニアム、コープ、レンタルビルを問わず、たくさんのスタッフが働いているので、チップだけでも大変です。毎日顔を合わせるコンシェルジュやドアマンはもとより、ポーター、ハンディマン等、普段は表に出て来ない人もたくさんいます。誰にいくら渡すのか悩むところで、実は私もお客様からよくチップの相談を受けます。 でも、心配ご無用。サンクスギビングが終わるや否や、どこのビルでもスタッフの名前とタイトルが書かれた名簿が各部屋に配られます。ビルによってはそれぞれの顔写真までついている場合もあります。 部屋の入り口のドアに挟んであったり、または共用のメールルームに束になって置いてあったりします。名簿を見ると、自分のビルで何人のスタッフが働いているか一目瞭然です。ビルの規模によってはスタッフだけで40人以上となるところもあります。 誰にいくら渡すべき?
律儀に全員にチップを渡していると大変なので、その場合は普段顔を合わせるコンシェルジュやドアマンだけでいいかもしれません。ただし、スーパー(スーパーインテンダント:ビルの管理人)だけは外せません。普段顔を合わせたり口をきいたりすることはありませんが、ビルの責任者なので、この機会に顔つなぎをしておくと、普段いざと…

【ニューヨーク不動産最前線】 オーナー(テナント)保険について

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【ニューヨーク不動産最前線】オーナー(テナント)保険について

2018年10月16日
入っておくべきオーナー保険
マンハッタンを歩いていると、常時救急車と消防車のサイレンを耳にします。残念ながらもう、生活音の一部のようになっています。ときどき(というかかなりの頻度で)実際の火災現場にも遭遇します。これだけ人口が密集していると、いつも何かしら事件、事故が起こっているのですね。 ニューヨークのアパートでは、オーナー保険に加入するのが一般的です。部屋を借りている場合はテナント保険とも呼びますが、同じものです。いずれにしても、居住しているアパートに対して保険に入ります。基本的には任意なのですが、最近はオーナー、テナントにかかわらず居住者に対して加入を義務付けているビルも多く、部屋の購入、賃貸のボード審査の時に保険の加入証明書を提出させられるケースが増えています。 部屋を借りている立場のテナントにとっては、オーナーが保険に入っているのだから自分は入らなくていいと考える方もいるようですが、損害や事故の種類によってはオーナーの保険だけでカバーしきれないケースもあり、かつ、ことが起こった時にスムーズに解決するためにもやはり保険は必要です。 オーナー保険の補償とは
オーナー(テナント)保険は総合的な補償が含まれていて、一般的に想定される水漏れ(ほかの部屋からのものも含む)や火災に加え、家具や貴金属等のパーソナルプロパティに対する補償、怪我等をした時の補償も含まれます。たとえば、お客さんが部屋の段差につまずいて転んで怪我をした時の治療代等も含まれます。 保険には基本的なセットのようなものがあり、高額な絵や貴金属を持っている人は、特別にパーソナルプロパティの補償額を増やしてカスタマイズできます。ビルの規模や設備、ドアマンの有無等によっても若干保険料が違うようですが、基本のセットだと年間で300ドル程度からとそんなに高い金額でもないので、ビルの方針にかかわらず保険に加入するのはおすすめです。 実際に私のアパートも、寝ている間に動かしていた食洗器から水漏れしていて、朝起きたらキッチンとリビングルームが水浸しになっていたことがありました。下の部屋にもご迷惑をおかけしてしまって……。結果、リビングルームの床を全部張り替えることになったのですが、保険が…

【ニューヨーク不動産最前線】引越し時の荷物搬入

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部屋を見て回り、部屋が決まればどんな家具をどこに置くかといろいろ考えるのは楽しいですね。実際にお客様でも部屋を決めて申し込みをした後、ボードの入居審査を待っている間に、家具のための寸法を測りたいからと部屋をもう一度見に来る方は多いです。 ただし、ここでも注意が必要です。家具の搬入にはコンドミニアムの入居用エレベーターの予約が必要です。荷物搬入用のエレベーターは平日の昼間(9〜17時)、それも午前の部か午後の部どちらか一方しか選べないというビルがほとんどです。引越しのハイ・シーズンには先約があって、希望の日にエレベーターが取れない場合もあります。前もって引越業者との日にちの打ち合わせも大切です。 エレベーターの予約が取れない、もしくは引越業者が空いてないという理由で、せっかく契約開始日通りに入居の承認がおりても、荷物が搬入できないということになってしまいます。
基本的にこのエレベーターの予約は、ボードの審査に合格するまで取ることができません。申し込みをして結果を待っているという段階では予約できないので、承認が契約開始日の直前になってしまったというような場合には、そこから引越業者の手配は間に合いませんよね。 ボードの審査にばかり注意がいってしまい、引越しの手配のことは意外に見落としがちですが、こちらもビルの承認がいるので、コンドミニアムの引越しには余裕を持って申し込みをすることが大切です。 引越業者、エレベーターともにうまく日程が合い予約が取れたら、前もってビルに引越し用保険(COI: Certificate of Insurance)を出すのをお忘れなく。予約は取れていたのに、いざ引越し荷物が来てみたら、COIを出していなくて搬入できなかったというケースもあります。 余談ですが、賃貸の場合、契約開始日を月の初め(1日始まり)にする契約が多く、どのビルも月の初めはエレベーターが混み合うようです。もし余裕があるなら契約開始日を月初以外で設定するという手もあります。 柏原知子(Tomoko Kashihara) U.S. FrontLine マンスリー・コラム記事より

【ニューヨーク不動産最前線】 メリットが多いコープ

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以前のコラムでコンドミニアムとコープの違いについてご紹介しましたが、今回はさらにコープについてもう少し詳しくご説明します。 マーケットに出回らないコープ コンドミニアムは最近では日本人にもなじみで、日本でいう分譲マンションのことです。ほとんどの方はマンハッタンで見る高層の集合住宅ビルをコンドミニアムだと思っているかもしれませんが、実はマンハッタンの住宅ビルの8割弱がコープなのです。 にもかかわらず、外国人のみならずアメリカ人にもなじみが薄いのは、コープには長期で居住している人が多く、物件がマーケットに出る頻度が少ないのと、賃貸を制限しているためあまりマーケットに出てこないからではないかと思います。 有名ハリウッドスターや政治家、セレブがお金を積んでも入居を断られることのあるコープは、入居審査が厳しい、貸せない、規則がうるさい等と最近はアメリカ人にも敬遠されがちなのですが、実はいい面もたくさんあるのです。 住めば快適 まず、コープという名前が示すとおり建物自体はコーポレーション(組織)なので、当然建物はビルの管理です。共用部分はもちろん、部屋の内部の修理でもかなりの範囲でコープが面倒を見てくれます。入居審査が厳しい分、逆に一度住人になってしまえば、ご近所が騒がしいとか怪しいといったトラブルも少なく、快適に生活できます。コロコロ住人が入れ替わることや、お金は持っているけれど得体の知れないお隣さんというのはありません。 有名人やセレブが断られるのは、報道陣やファンが押し寄せるのを避けて、住んでいる人たちに快適に過ごしてもらえるようにという配慮の結果なのです。賃貸禁止というのも、短期間で住民が変わるというのを避ける意味ではうなずける方針ですね。 それから何といっても購入の金額が安いのが魅力です。コンドミニアムに比べると2割ほど安く、かつモーゲージをとる場合は購入時のクロージングコストも格段に安くなります。モーゲージ取得時にかかるモーゲージタックス(*モーゲージの額によりますが、最大でモーゲージの約3%弱)がコープの場合かからないため、その分コストが抑えられます。 米国生活が長くステータスの安定している方、自己使用でゆったりと生活したい方には、コープは悪くない買い物かもしれません。 ※モーゲージタックスについてはその都度専門家にご確認ください。

柏原知子(Tomoko Kash…

【ニューヨーク不動産最前線】 マンハッタンのおトク物件「コンバージョン」

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今に始まったことではありませんが、マンハッタンでは老舗のレストランや昔から続く小売店がどんどん閉店しています。人気があって行列のできていたパン屋さんや、リーズナブルな値段でおいしい食事を出すレストラン、レア物を売っていた画材屋さん。とても繁盛していたお店でも、晴天の霹靂のようにある日突然、閉店宣言をしてクローズしてしまいます。 その後には銀行やチェーンのお店が入るか新しいビルに立て替わるかして、町の風景がどこに行っても同じような味けない感じになっています。昔ながらの石畳の道も、いつの間にか舗装されたその辺の道に変わっていたりして、町の様子がどんどん変わっていきます。 古き良きを保存する「コンバージョン」方式とは 長く住んでいるとこのような変化は結構さびしく感じるものですが、一方で、ランドマークとなっているビルや外観の美しいビルは、それを保存しようという動きもあります。ビルの外観だけをそのまま残して、内部は総取り換えするコンバージョンという方式です。このようなやり方は個人商店には無理ですが、大規模デベロッパーだと可能なのですね。 特に金融街を中心とするローワーマンハッタンでは、元オフィスビルだったものをコンバージョン方式で住宅(コンドミニアム)へと変える手法が多く見られます。これは一から新築を建てるよりも、もとからあるビルをコンバートする方が経済的だという理由のほかに、やはりマンハッタン発祥の地であるローワーマンハッタンには、それなりの歴史とヨーロッパの雰囲気の漂う美しいビルが多いからなのでしょう。 クラシカルなコンドミニアム「Cocoa Exchange」 私の好きなコンバージョンビルで、「ココアエクスチェンジ(Cocoa Exchange)」という名前のコンドミニアムがダウンタウンにあります。1904年にアメリカの船会社が作ったビルで、1931年から1972年までCocoa exchangeがメインテナントとして入り、カカオのトレーディングをこの建物の中で行っていたようです。金融街なのに、証券取引所だけではなくこのような食品の取引所もあったのだと妙に感心してしまいました。




話が逸れましたが、クラシカルな素敵な外観の建物で、2つのストリートが交差する場所に立っているため建物の敷地が三角形で、14丁目にある有名なフラットアイアンビルによく似ています。建物のユニークな経歴と美…

【ニューヨーク不動産最前線】 今注目のハドソンヤード

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今は、物件の情報を調べようと思ったら簡単にインターネットで検索できます。賃貸でも売買でも希望のエリアや予算等を入力すれば、すぐに物件情報が出てきて写真や図面も見られますね。私たちブローカーのところには毎日、大量の物件リストが送られてきます。もちろん個別に欲しい情報だけを取ることもできるのですが、各ブローカーやデベロッパーが売りたい・貸したい物件や、新築物件の情報をどんどん送ってくるのです。そのなかで最近目立っている(というかついつい目がとまってしまう)のが、超高額物件のリストです。 新築が続々と建つハドソンヤード

至るところで新築のコンドミニアムを建築中ですが、中でも目立っているのが、今マンハッタンで一番注目のエリア、ハドソンヤードです。マンハッタンの西端、ハドソンリバー沿いの34丁目から10丁目まで、20ブロック以上にわたって2009年にハイラインという高架の公園がオープンしました。その後、このハイラインに沿ってどんどんオフィスビルや住宅ビルが建てられて、新たなコミュニティが作られました。このエリア一帯をハドソンヤードと呼んでいます。

これらの新築物件がとんでもなく高いのです。ハイラインの敷地はもとは鉄道の廃線だったところで、駐車場や鉄道の操車場、工場用地として使用されていた、いわば廃れた場所でした。それが今ではハドソンリバーと対岸のニュージャージーを横目に見ながら、緑の中を散歩できる憩いの場としてまったく新しく生まれ変わり、観光名所と化しています。素敵なエリアに素敵な物件を、というコンセプトはごく当たり前で、それ自体は自然な流れなのですが、とにかく物件が高すぎます。
住宅では88階建てのコンドミニアムをはじめ、大小さまざまな物件がマーケットに出てきていますが、驚くほどの高額物件ばかりです。88階建ての15 Hudson Yardsは、最安値の2ベッドルーム(1571SF)が3.725ミリオンで、最上階のペントハウス(3ベッドルーム、5161SF)はなんと32ミリオンドルとなっています。ちなみに、東京の新国立競技場のデザイン案でも話題になったザハ・ハイドがデザインした11階建てのコンドミニアムは、4ベッドルーム(4000SF~)が12~16ミリオンという値段です。

この新しいコミュニティに出現したビルは、どれもこれもこの世のものとは思えない現実離れした値段で、せっかく公…

【ニューヨーク不動産最前線】 NYでは短期契約が認められていない?

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最近は世界中で「エアビーアンドビー」が流行っていますね。日本でも2020年の来るオリンピックを待たずして、「ようこそジャパン」キャンペーンの成果かどうか、外国人旅行者の数が急増して民泊が増えているようです。ここニューヨークでも「エアビーアンドビー」が増えているようですが、そもそもニューヨーク市では、アパートの部屋を30日間未満の短期で貸すことや賃貸広告を出すことを法律で禁止しています。  NYの賃貸契約は12カ月以上が基本 市内のほとんどのコンドミニアムでは12カ月未満の賃貸契約を認めていません。コンドミニアムのオーナーが12カ月以下の短期で貸したいと言っても、ビルの規則で賃貸許可がおりません。セキュリティー上、短期間で入居者が変わるのを認めておらず、入居者の身元をビルが把握しておくために、入居審査にパスしたテナントだけが居住を認められる仕組みになっているためです。ホテル以外ではニューヨーク市内で1カ月未満の短期アパートを借りるというのはまず不可能なのです。 短期貸しを専門にしている建物や会社がありますが、やはり最低賃貸期間が30日となっています。特別許可を得て運営を行っており、家具やリネン類等、ホテルと同様の設備も完備しているため普通にコンドミニアムやレンタルビルを賃貸するよりもかなり割高になります。短期貸しを認めている住宅用建物の数が非常に少ないことも、これらの短期専用ビルの値段が高い一因です。 ホテルと違って短期貸し専用物件は基本的にはアパートなので、キッチン設備が部屋にあります。自炊にこだわっていて、かつお金に余裕がある人にはピッタリの物件かもしれません。 必ず必要な入居審査 一方、普通にアパートの賃貸契約をしようとすると、ビル管理組合の入居審査があります。コンドミニアムの賃貸契約をするためには、収入証明、雇用証明、税務申告の証明、バンクステートメントに加えて、ビルによっては個人およびビジネスレファレンスレターまで管理会社に提出が必要です。加えて、入居申し込みの関連フィーが1000〜2000ドルと、結構費用もかかります。 ちなみに審査期間は2〜3週間。例外なくこの入居審査にパスした人しか入居できません。自分が入居申し込みをする時にはとても面倒ですが、人種を問わず色んなタイプの人々が住んでいるニューヨークでは、同じビルにどんな人々が住んでいるのか分かっていると…